2019年12月14日

余白(時間) 1

とれてますか?

ひとりでじっくり過ごす時間。
大切な人とゆっくり過ごす時間。

もしとれていないなら、少しとるだけで生活が変わります。
とれている人も、もっととれると人生が変わる。



空間の余白も大事ですが、時間の余白も大事です。

  余白(空間)
  https://chobiwafu.blogspot.com/2019/10/blog-post.html



時間に余白があってはじめて、心も体もうるおい、ものごとにじっくり取り組むことができる。時間に余白がなさすぎると、体力や精神力が十分に保てず、目の前のことに集中できない。とりあえず終わらせるために上辺だけのことをやることになる。本当はやらなくてもいいことも、そのまま続けてしまう。余計なことをするために、体力や精神力はもちろん、時間もお金も使ってしまい、さらに疲れがたまる。その結果、体調不良やトラブルが多くなる。

体力や精神力を回復するには、緊張をといて体を緩めて、栄養をしっかりとって、たっぷり休む以外にありません。何かを食べたり飲んだり、呪文を唱えてもらったりすればたちどころに元気になる、なんてことは、漫画やゲームだけの話です。

ところが、なにも考えずに過ごしていると、弛緩や睡眠をどんどん削って、滋味をとらずに、何かしてしまう。食事や休息を充分とらなかったり夜ふかししたりで時間を捻出するのは、いままでのやり方を変える必要がないという意味では楽ですからね。

そういった時間の使い方を変えずに今までのやり方で無理やり押し切り続けると、強靭な肉体や鋼のメンタルを持たない普通の人間は壊れてしまいます。体調不良や散漫な注意力から起こるトラブル、それに加えて最悪のタイミングで起こるアクシデント。いったん日常が回らなくなると、ドミノ倒しのように次々と崩れていき、社会生活も、本人の肉体や精神も、修復不可能になってしまいます。特に、病気や対人トラブル、妊娠、出産から育児、介護など、体力や精神力が落ちる要因があるときは要注意です。


体調を崩して、いつもとは違うやり方でやってみたら、いつもよりもうまくいったことがありませんか?そうした機会が、時間の使い方を変えるきっかけになった経験があるのではないでしょうか?

であれば体調を崩す前に、自分の意思で、スケジュールの組み直しを定期的にしてみるのはどうでしょう?



一日はすべての人に平等に24時間。

余白はひとりでには生まれないので、意図的に作り出す必要があります。やることを減らす。そのために、やり方を変える。

具体的には、一日24時間の時間割を紙なり画面なりにかいてみて、予定を入りきるだけに減らす。やらなくていいことをやめる。時間割に入れられないことは、終わらずに放置されることが多いです。

時間割に入れられるからといって詰め込んでしまうと集中力がもたないし、どうしてもの急ぎの用事が入ると回らなくなり、やはり終わらない。なので、まずまずの集中力を発揮できる程度、全体の5割程度の時間に予定を入れるくらいが丁度いいのではないでしょうか。そうすることが、余白を確保することにつながります。



一日の時間割をつくるガイドになる二冊です。


今日やることはこれ!と決めて、そこに集中する。邪魔を入れない。

  時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」
  https://amzn.to/2DykOsA


時間割に入れられることに集中する。効率化の様々な方法をざっとおさらい。

  1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣
  https://amzn.to/2RcQCLT



まず、休むことに専念する時間を24時間の中から確保しましょう。まっさらの時間割に、睡眠や食事、休憩などを多めに入れてしまいましょう。時間は、お金と一緒で天引きしておかないと、往々にして何かしらで使われてしまいます。あとの事はそれからです。残された時間の50%で、やることを、できる方法でやる。

実際に、一日の時間割を白紙から作ってみてください。紙に書いてもいいし、Google Calendarなどを使ってもいいでしょう。「これ以上は減らせない!」というところまで減らしてみましょう。

それだけで、かなり一日がすっきりして、余白が出てくると思います。


次回は、さらに所要時間を減らす方法について。

2019年10月30日

余白(空間)

余白をつくるだけで、空間の質が変わる。
今ここ、に集中できる。



広くても、モノだらけでは安らげない。たとえ一流の職人が本物の素材で作った空間で、素晴らしい調度品に囲まれていたとしても。

でも、なんの変哲もない三畳間や四畳半でも、十分な余白があれば、心地よい落ち着きを感じることができる。

何も置かない三畳間には宇宙が広がることができるけれども、ごちゃごちゃモノがある広間は、ぐちゃっと縮こまってしまう。




空間に余白をつくるための基本的な指針は以下2つ。

 ・床にモノを置いたままにしない
 ・机や台の上にモノを置いたままにしない


そのために、物をどこかに入れたり、減らしたり、捨てたりする。使っていないものや収納に入りきらないものは手放す。

とはいえ、なんだかんだで出しっぱなしになってしまうものなので、一日の終りに片付ける時間を5分でもつくるのが結局は楽で確実です。夕食の「ごちそうさまでした」のあとに片付けるのがおすすめ。



余白をつくるためにモノを減らす具体的な方法はいろいろありますが、個人的におすすめなのは、「ときめくか?」と使用実績の2つを掛け合わせること。これが現実的で有効なモノの減らし方かなと思います。

・「ときめくか?」

  Konmari

  書籍 人生がときめく片づけの魔法
  https://amzn.to/32GrUXa

  Netflix KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~
  https://www.netflix.com/title/80209379

  All Things KonMari’d 英語公式サイト
  日本語公式サイトより情報が豊富です。英語ですが。
  https://konmari.com


・使用実績

  実際に、とりあえず1年以内に使ったかどうか。
 


表にすると、こんな感じ。




「ときめく」かつ「使ってる」なら持っとくし、「ときめかない」かつ「使ってない」なら処分。これは文句なしですね。



「ときめく」かつ「使ってない」なら、もっと使ってみる。使おうと思ってもやはり使わないままなら、処分。本や趣味の道具なんかはここに入ることが多いと思います。


「ときめかない」かつ「使ってる」なら、そのまま使い続けるのもアリですが、使わない方法を考えてみるのもよいと思います。つまり、目的達成のための方法を変えてみる。

たとえば、下着をやめてみるとか、バスタオルをやめてみるとか、炊飯器を土鍋羽釜にしてみるとか、自家用車を徒歩、公共交通機関やカーシェアリングにしてみるとか。
同じ道具でもときめくものに変えてみる、のもひとつかもしれません。百均のものからデザイン性のよいものに変えてみるとか、プロ仕様のものにしてみるとか。



また、スパッと処分できない場合は、大きめの段ボール箱などを「いらないもの入れ」にして、とりあえず放り込んでしまうのもひとつです。2,3ヶ月たったら中を見てみて、使ってないようなら、誰かに譲るなり捨てるなりする。



こういう系統で、無料で参考になるのは、このあたりのサイト。

  AllAbout シンプルライフ
  金子さんの記事がおすすめです
  https://allabout.co.jp/gm/gp/407/library/


  筆子ジャーナル
  https://minimalist-fudeko.com




そんなことを繰り返して、最終的に「ときめく」かつ「使ってる」だけ残せたら、かなりすっきりすると思います。




こうやってできた素晴らしい空間に、おまけとして付いてくるのが、掃除のしやすさ。時間を設定しておけば、毎日勝手に掃除してくれます。あとはゴミの日にゴミ捨て場まで出しに行ってくれたら完璧なんですが、その機能はまだ実装されてません。

  ルンバ e5
  https://amzn.to/2W5oaMm




また、モノをへらす以外で、空間に余白をつくるために意外と有効なのは、部屋をかなり暗めにすること。明るいと隈なく見えてしまい、部屋の端をはっきりと意識するせいか、空間の広がりを感じにくい。想像力が広がりを作り出す部分も大きいのだと思います。

  あかり
  https://chobiwafu.blogspot.com/2019/02/blog-post_27.html

  『陰翳礼讃』
  https://amzn.to/32LJpFi


風呂場をろうそくやたねほおずきなどのあかりだけにすると、とても落ち着きます。

  たねほおずき
  https://amzn.to/2BNMEA7



さらにもうひとつ有効なのは、静かに目を閉じること。そして、ゆっくり深い息をする。できるだけ身につけるものを軽くして、胸をひらいて。腹の底から、吐いて吐いて吐いて吐ききって、吸う。



住まいにいくつか部屋があるなら、一部屋だけでも実践してみるといいですよ。居間や寝室、応接間だけでも。応接間があるような家では、応接間はいつも使っているわけではないので、普段の一人くつろぐ場所として整えやすいと思います。



あって初めて分かる余白のよさ。感じてみてください。

2019年9月28日

ただ、湯浴み(ゆあみ)

風呂で石鹸もシャンプーもつかわない。 夏が終わった今が始めやすい時期だと思います。 はじめて数年になりますが、まったく困ってません。「お前は困ってないかもしれないが、こっちが困っている。とても臭っているぞ。」という方がおられましたら、やんわりとメッセージお願いします。 ちなみに、福山雅治もお湯だけで体を洗っているという噂ですが、「俺も福山みたいにフェロモン出したい!」と思って始めたわけではありませんよ。 お年寄りは肌のかゆみが問題になることが多いのですが、痒くてつらいというお年寄りにまずお話するのが、石鹸やシャンプーの使用を減らすかやめること。皮脂がなくなりすぎることが痒みの原因のひとつとされているからです。飲み薬を希望される方もおられますが、痒み止めの薬を飲むと元気がなくなったりコケたりすることがよくあるので、まずは石鹸とシャンプーをやめることからすすめてます。せいぜいいくらか汚れが落ちないくらいで、元気がなくなったり、コケて骨を折って寝たきりになったりするのと比べると、圧倒的に害がないですからね。 害がないと言ってすすめていながら、実際にどのくらいベタついたり、かえって痒かったりするのか知らなかったので、自分で数日やってみました。 やってみたら、特に何も困りませんでした。それで、そのまま現在まで継続しているわけです。というか、洗剤を使う習慣自体がなくなりました。いつから始めたか覚えてませんが、数年は経っています。 お年寄りで寝たきり、もしくはほぼ寝たきりの方で、何年も風呂に入っていない方けれども、代わりに温かい濡れタオルで身体を拭ってもらっている、という方が一定の割合でおられます。 この方式では、石鹸を使っていないことも多いです。でも、全然臭わないし、肌は綺麗な方が多いんです。介護してる側よりもきれいな肌の方が結構います。 なので、石鹸なしでも清潔に保てるというのは、私だけの特殊な事例というわけではなく、ある程度普遍性があることだと思います。福山もそうみたいですし。 そもそも、毎日風呂に入って何かしらの洗剤で体を洗うというのは、せいぜいここ百年くらいの特殊な習慣ですしね。
とはいっても、やはりいくらかベタつきます。ベタつきやすいのは、主に頭周辺。 ・耳の周り ・耳のひだの中 ・顎から首 ・顔面 ・頭皮 ・髪 髪以外に関しては、入浴時に手ぬぐいで少し撫でたりこすったりするとよいです。手ぬぐいのやさしい肌触りとはうらはらに、よく落ちます。   手ぬぐい   http://bit.ly/2XrTqsz 日本のマナーでは御法度ですが、浴槽の中で手ぬぐいを使って身体をサッと拭うのもオススメです。一人暮らしなら全然問題ないし、他の誰かと暮らしていても一番最後なら問題ないです。ほどよく垢が落とせますよ。公衆浴場では御法度です。 髪のベタつきについては、ある程度高めの温度のたっぷりのお湯で流せば、問題ないです。ただ、長い髪の方は落ちにくいかもしれません。 石鹸やシャンプーを使わないことのメリットは、皮脂を奪わないことだけではありません。 石鹸、洗剤の類が必要なくなるため、これらにかかっていたコストがゼロになります。 ピンからキリまで無数にある洗剤の中で、どれを買おうか迷うことがなくなります。どれも買わなくていいから。 ボトルがなくなるので、風呂場がすっきりします。プッシュしたのに出てこなくて困る事もなくなりますし、詰替えの手間もありません。ボトルの湯垢やカビを落とす必要もなくなります。 洗剤を泡立てたり、身体から洗剤を流したり、布をすすいだりする工程自体がなくなり、湯船につかってゆったりすることに専念できます。 洗剤が落ちきらなくてかゆみの原因になることもありません。 「体を清潔に保つ」が目的なら、石鹸やシャンプーはなくても何も困りません。 注意点がいくつか。 万人によいのかは、わかりません。もともと肌トラブルがある人は、悪化する可能性もあるかもしれません。経験がないのでなんとも言えません。 また上述の通り、髪が長い人は大変かもしれません。髪や頭皮の脂は、少し温度高めのたっぷりのお湯でないと落ちにくいと感じます。 プールのあとは、髪は結構ガサガサします。熱めのお湯で流すのみだと、いつもの状態に戻るのに数日かかります。シャンプーやトリートメントなど使ったほうが早く戻るのかも。 なんの道具も要らず、1円もかからないので、ぜひ今日から始めてみてください!

2019年8月5日

ふんどしの、その先

気づいてしまった。

なくてもいいんちゃう?



いろいろsensitiveな方は、この先を読まないでください。


==================================================


ふんどしを久しぶりに締めてみました。
横に布がない分、涼しいのでは、と。

やってみたら、越中でもいくらか涼しいですが、六尺ならお尻も出るので、さらに涼しい。


↓越中と六尺の違いがわからない方は、こちら

  ふんどしの締め方(巻き方)の図解
  http://bit.ly/2YGBiLl



麻ならもっと涼しいかと思ってネットで探し始めたとき、ふと気付いたんです。

横がないだけでこんなに快適なら、横以外もなければもっといいんちゃうかと。何もなしならすごいのでは、と。



やってみたら、超快適。

風が通って涼しい。
パンツのゴムの締め付けも、ふんどしの布や紐も、たいして負担に感じていたわけではなかったものの、ないだけでここまで楽とは。


汚れるのでは?と思っていたものの、それほど汚れない。


冷房の効いたところでは、お腹は冷えるかと思いきや、そうでもない。もし冷えたときには腹巻や手ぬぐいで対応可能。



まだ始めて一週間と少しですが、はっきり言って快適です。

冬もこのままいければ、残りの人生のパンツ代が0円になり経済的。
ただ、ズボンの洗濯頻度はあがるか。




ふんどしを一時は使ってみたものの結局やめてしまったのは、締めるのが面倒だったからです。そのまま足を通すだけのパンツのほうが圧倒的に楽だと感じたんですね。あと、六尺は締め心地はよいのですが、仰向けに寝ると結び目が腰の骨に当たる。

であれば、足さえ通さなくてよく、結び目が当たることもないノーパンは最も楽。




そもそも、パンツを履かなければならない理由を考えてみると、「なんとなく履くものだと幼少時から刷り込まれてきた」以外に理由が見当たらない。

ふんどしは江戸時代から普及したそうです。それ以前は男はノーパン(のーふん?)だったそうで、女性は明治まで湯文字のみ。江戸時代より前は、男女ともに何もなしが主流だったそうです。

人類の歴史からすれば、パンツを履いていることのほうが奇妙な習慣なわけです。




現実問題としては、教室や会社のロッカーで着替えるときにノーパンなのは、ちょっと気まずいかもしれません。コミュニティの文化や個人のキャラクターと覚悟次第でしょうか。どうしても気になるならトイレで着替えるのもひとつ。

でも、学校や会社での着替えがない人なら、問題なし。せいぜいジムで着替えるにしても、周りにいるのは赤の他人。シャワーのあとで全裸の人もたくさんいるわけで、なんら気にすることはありません。



とりあえず、夏場のノーパン、強くおすすめします。
ほぼリスクフリーでベネフィットのみ。
恐らく問題は、心理的な抵抗感のみです。

2019年7月12日

和包丁(というか有次)

「切る」って、こういうことだったのか。 ひとこと、切れ味が鋭い。食材に包丁を滑らせると、まな板まで自然に落ちていく。 「よく切れる刀の傷口はきれいなのでひっつきやすい」という話がありますが、それを思わせるスパッとした切り口。 そのためか、切った食材がシャキッと立つ。ただ切っただけなのに。歯ごたえや口触りが凛としている。生で食べられるものなら、切っただけで一品できあがる。 いままで使っていた「包丁」とは一体なんだったのか。 そうか、これまでは切っていたのではなく、押しつぶしていたのだ。 それまでに使っていた三徳包丁も、研げばよく切れるんですよ。それでも切れ味が体感できるレベルで違う。 ただ有次、普通の包丁と違ってメンテナンスは必須。 ・使い終わったら、クレンザーで刃を磨く ・水気を完全にぬぐう  拭わずに置いとくと、すぐ水滴の形に錆びます ・風通しのよいところへ保管する はっきり言って面倒。でも、その面倒さを乗り越えてもなお使いたい切れ味がある。 ちなみに、「風通しのよいところ」って? 間違ってもシンク下の包丁差しなんかはダメと書いてありますが、他に包丁をしまう場所なんてないのが普通。 買った時に入ってた箱に入れとくのも、風通しがよいというわけではない。 割烹やなんかではトースターみたいな箱に水を張ったとこへ包丁を刺して漬けておくのを見かけますが、あれは問題ないのか?職人が常時そうやってるくらいなので問題ないんだろうけれど。ただ、あんなものを個人宅に用意するわけにもいかない。 いろいろ考えた結果、とりあえず無印の竹の箱に入れて、箱自体に手ぬぐいをかけて置いてます。   重なる竹材長方形ボックス・小   https://muji.lu/2JiIaFa   てぬぐい   http://bit.ly/2XrTqsz ただ、短期の保存方法よりは、頻繁に使って磨くなり研ぐなりすることのほうが大事な気はします。 現状では毎日は包丁を使ってないので、1から2ヶ月に一度くらいで研いでます。面倒ですが、日と時間を決めてしまえば、なんということはない。 いま採用している方法は、 ・砥石をしばらく水につけておいて、修正砥石で平にしつつ砥糞をだしてから研ぎ始める。 ・爪に食い込むようになったら出来上がり。   砥石   https://amzn.to/2Cjz1sg   修正砥石   https://amzn.to/2XnNYae 参考にしたのは以下のページなど   包丁の研ぎ方 - 手前板前   http://bit.ly/2KWC8xb   プロが教える和包丁の研ぎ方(誰でも研げる包丁研ぎ) | 『研匠』光三郎   http://bit.ly/2Jt29kn
いろいろ書いてきましたが、和包丁は有次のしか使ったことないので、他の和包丁がどの程度のものなのかはよくわかりません。和包丁だからいいというわけでもないのかもしれない。 下記の本によると、有次の包丁は堺でほぼ専属の鍛冶屋さんが作っているそう。堺の地場ブランドで売っている他の鍛冶屋さん作の包丁と切れ味がどの程度違うのかは比較してみたいところ。   『有次と包丁』   https://amzn.to/2TRiOlc
有次は、令和になったというのにWebページすらなく、支払いは現金のみ。それでも錦の店には人が入りきれないくらい溢れている。   電話やFAXで注文して着払いで受け取ることはできるようです。   http://bit.ly/2LQgjPF 最近は大半が外国人観光客。国外に出ていった包丁のうち、どのくらいが使われ続けてるんやろ。 お店以外では、京都や梅田の百貨店なら買えます。もちろんクレジットカードで。 ただ、錦のお店で買うと、刃をつけてくれて、ノミで包丁に名前を彫ってくれます。 薄刃や柳刃なら、3つのグレードの真ん中のものでも、よく使われる寸法のは1〜2万円代。一生モノでこの価格なら、むしろお得。 これまでごく普通の三徳包丁しか使ったことがない人にとっては、確実に人生を変える道具です。ぜひ一度、手にとってみてください。

2019年4月21日

屋外で燗

ようやく外で快適に過ごせるようになってきましたね。


そうなってくると、やはり屋外で飲みたい。季節を感じながらしみじみ飲めますしね。

 屋外で呑む
 http://bit.ly/2GxBXVF


そして、やっぱり燗!



屋外で燗を楽しむ方法は、以下の三通り。

  現地で燗をつける

  家で燗をしてから持っていく

  家で燗を飲んでから醒めないうちに出かける



1.現地で燗をつける

屋外で燗をしようとすると常温で飲むのと比べて手間はかかります。ミニマムな用意は以下の通り。

 ジュニアコンパクトバーナー
 https://amzn.to/2XoTbdl

 カセットボンベ
 鍋
 水場がないなら水 湯煎用
 酒を入れた瓶 スクリューキャップの四合瓶が便利
 盃

カセットボンベと鍋はたいていの家にあると思うので、このバーナーだけあれば今日からでも楽しめますよ!

水が必要なのは、直火でも燗できなくはないのですが、手が熱いし、やはり湯煎の方が美味しいので。

また、余ったお湯をアテに利用できるのも利点。川の水を使う場合は、飲むのは躊躇するとしても、湯煎なら問題なしです。缶詰はもちろん美味しくなるし、昨日の残りも温めることで蘇ります。ゆで卵も可能。


さらに、これらを使えば、炭火で燗ができます。

 カセットガス トーチバーナー
 https://amzn.to/2vc6TUO

 木炭
 五徳

火打ち石で落ち葉や小枝から火を大きくして炭火にするのも楽しいと聞いてはいます。今度やってみよ。


ただ、火事には注意!
もちろん、火気厳禁のところではダメ。事前に調べましょう。




2.家で燗をしてから持っていく

目的地が火気厳禁の場合や、鍋やらなにやら持ち運ぶのは大変という場合は、家で燗してから持っていくのもひとつ。

火気厳禁でもOKなので場所を選ばないし、荷物を少なくできる。冷めにくいように布で巻くなどすると、いくらか温いまま持っていけます。燗冷ましもいいですけどね。




3.家で燗を飲んでから醒めないうちに出かける

とにかく面倒という人は、余韻を十分に感じられる酒を味わってから外に出るのもひとつ。ただ、出先が遠いと、着く頃には醒めるかも。




もちろん楽しめる空間の選定も重要です。屋外ならどこでもいいわけはないですね。

オススメは車も自転車も来ない場所。電線も電柱もない場所。それだけでかなり落ち着いて楽しめます。人も来ないなら、なお良し。まぁだいたい山の中です。

また、ひなたにも日陰にもすぐに移動できるところがいい。寒くて凍えたり、暑すぎて気分悪くなったりしますからね。


そんな場所は周りにそもそも存在しない、そんなところまで酒持っていけない、という人は、縁側やベランダ、屋上もひとつかもしれません。そこそこ広かったり、眺めがよかったり、快適に過ごせるなら。


きっと、静かで何者にも邪魔されず、風があったり外気と通じていたり、空間が広いことが大事なのだと思います。

屋外で飲む良さは、自然を楽しめること。自然を通してこの世のことわりを肌で感じられること。

外界から隔絶された気密性の高い人工空間、ヒトに最適化された空間から離れることで、人間には理解どころか知覚はおろか観測すらできない無限のひろがりや深さに思いを馳せることができる。


燗ではさらに、燗酒が体と溶け合う感覚によって、より自然と自己との一体感が増します。

皮膚と外界との境が曖昧になる。外界に自己が溶け込んでいく。絶妙な燗のあがりたては凄まじく素晴らしい。そこを狙うにはやはり、よい造りの酒を目的地でじっくり燗したい。


準備や燗をつける時間も楽しめるよう、たっぷりと時間に余裕を持って出かけましょう。



野営で時を忘れて月下独酌といきたい。

2019年3月15日

小さいがま口

財布、いりますか?

中身さえあれば、財布自体はなくてもよくないですか?
かさばるし、重いし。


携帯電話が普及してからは腕時計を持たない人が多くなったように、現金以外での支払いが主流になる今後は、財布を持たない人も多くなっていく可能性が高いと思います。


現金を使う機会は、ここ数年でかなり減りました。ネットでさまざまなものが買えるようになり、店舗でもクレジットカードや電子マネーで支払いできる場面が拡大したためです。

昨今では財布どころか中身の現金自体もほぼ使わない荷物になりつつある人も多いと思います。ただ、個人店を中心に完全にキャッシュレスにはなっておらず、やはり現金を持ち歩く必要はあります。


お札を分厚くて邪魔になるほど持ち歩く人はあまりいないと思います。でも、硬貨の扱いは財布がないと面倒。

「思い切って小銭はすべてその場でチップか寄附」も可能性としてはありえます。世の中を明るくする素晴らしい行動だと思いますが、実行できる人はなかなかいなさそうなのが難点です。
また、「お札だけ持ってでかけて、お釣りはどこかにまとめておいて、一定量以上たまったら金融機関の窓口に持っていく」というのもひとつではあります。ただ、金融機関に行くのは面倒だし、結局、釣銭をもらってから家に帰るまでは硬貨を持っていないといけないので、あまり解決になりません。

小銭はズボンのポケットにいれてもいいのですが、枚数が多くなると一度に全部出すのが難しくなります。そうすると最少受け取り枚数にする組み合わせでの出しそびれにつながります。どんどんズボンは重くなるし、歩くとジャラジャラ音もするし。ポケットに残った硬貨が洗濯機の内部に入って、洗濯するたびにカラカラ鳴るようになってしまうことも。女性はそもそもポケットがないことも多いようです。

ポケットでなく鞄に入れるにしても、さすがに裸では散らばってしまう。



そこで、小さいがま口。



一箇所に硬貨をまとめておける便利さをもちながらコンパクトで、邪魔になりません。

開け閉めも手軽。チャックやボタンよりも断然開け閉めしやすいです。口が大きく開くので、ひっくり返して硬貨を手のひらに全部出してしまって、そこから選んで払って、また戻す、という流れがスムーズ。

価格も数百円から、高くてもせいぜい数千円までと懐に優しいです。西洋のブランドもののようにアホみたいに高いものはそもそも存在しない。印伝とか伝統工芸系のは高いかも。

布が主体ということもあり、いろんな柄を楽しめます。革を使ったものよりも、布のものの方が周囲の形になじむのでしまいやすいです。

耐久性もなかなかよいです。金具部分が壊れることはそうそうないし、ダメになるとしたら本体部分が擦り切れるくらい。


お札はどうするのか?

マネークリップがいいという人もいますが、使ってみると、マネークリップこそ必要ないと感じました。お札を抜き差しする手間が面倒だし、マネークリップの分だけ重くなる。お札をそのまま持っている方が使いやすいです。


クレジットカードや交通系ICカード、ポイントカードは?

持ち歩く必要があるものだけをクリアケースにまとめてます。100均なら3枚108円で買えます。
「ほぼ毎日」「週一程度」「それ以下」といった感じで使用頻度ごとに別のケースに分けると便利。

 クリアケース カードケース B8 軟質
 https://amzn.to/2u0YOSu


ポイントカードは極力作らないか、アプリ対応しているもののみ導入するのが吉。


がま口の難点としては、「外国人向けの土産か?」というデザインが多いのが玉に瑕。落ち着いた柄のものや無地のものがもっとほしいです。


そんななかでもデザインもわりと良くて、実店舗へのアクセスも容易でオススメできるのは、ここ。ネットでも買えますが、質感がや大きさがわからないので、手にとって選ぶほうがいいと思います。金具や布を自分好みにカスタマイズ可能。金具の緩みは無料で直してくれるとのこと。

 まつひろ商店
 https://bit.ly/2u5LjAY



ポケットに入れるもカバンに入れるもよし。
使ってるだけで珍しがられて話題にもなります。


完全キャッシュレスの世界になるまでの過渡期に、小さいがま口、便利ですよ!

2019年2月28日

あかり

「電気」を「あかり」にかえませんか?


いま朝の5時です。真っ暗な四畳半の部屋に灯油ストーブだけをつけています。炎が暖かく、やわらかい。

闇を照らすことで、見えなかったものが見えてくる。けれども、明るくすれば全てが見えるわけではなく、かえって見えなくなってしまうものも、感じられなくなってしまうものもたくさんある。

その闇と光のせめぎあいを絶妙なところにおさめてくれるのが、「電気」ではなく「あかり」。キャンプファイヤー、キャンドルディナー、ろうそくだけを灯しての怪談にあるような情感が生まれます。

あかりだけが明るくてまわりはうっすらとしか見えないところに、奥行きや凄みがある。

人間の目には見えていないもの、人間には感じることができない、観測することすらできないものがあるのだということをほのめかすようなあかり。


いまや紐を引いたり、スイッチやボタンを押したり、「アレクサ、電気つけて」と声をかけたり、何かしらのワンアクションでパッと瞬時に電灯がつくのが当たり前ですが、ふわっと明るくなる火のあかりにはまた違った良さがあります。

そんな火のあかりの良さを感じられる作品をご紹介。

  ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
  大工の聖ヨセフ など
  https://bit.ly/2Vd5XdS


  谷崎潤一郎
  陰翳礼讃
  https://amzn.to/2SVq1nA

   こちらはKindle版なら無料。
   スマホのKindleアプリで無料で読めます!



火のあかりといってもいろいろありますね。
家庭で利用可能なものは、次のようなものでしょうか。

  ろうそく
  炭
  ガスストーブ
  灯油ストーブ
  薪ストーブ

!火事・やけど・一酸化炭素中毒に注意!


ろうそくは暖かくはならないですが、冬以外は使いやすいです。

炭火のあかりには独特の暖かみがあります。赤く熾ったり静かに沈んだりするのが楽しい。近くだけしか暖かくならないので、冬以外の使用もおすすめ。
でも、やっぱり手間はかかります。煮炊きに炭を普段から使っていた頃は、寝る前に囲炉裏や火鉢の灰に埋め、朝に掘り出してまた火種に使って火を絶やさないようにしていたそうですが、現代の生活でそれをやるのは難しいです。


火のあかりに共通するのは、変化すること。「うごき」が火のあかりの特徴です。

その点で面白いのは、和ろうそく。そのへんで広く売られているのは洋ろうそくで、それとは違います。火が時折こまかくふるえるたり、ときどき「ばちばちっ」となにかが弾ける音がしたりするのも面白いですよ。

  和ろうそく
  https://bit.ly/2TfNy2Z

灯油ストーブでは、ストーブの上の空気が揺れて、向こう側の景色が揺れるも楽しい。また、火の強さ、ひいてはあかりの強さを調節できるのも素晴らしい特徴です。明るすぎるよりは消えないギリギリのところが、趣としても、燃費的にもいいですよ。


ただ、これらのあかりを使うのはそれなりに面倒だったり、環境が必要だったりします。なかなか大変という場合は、代替案としては電球色LEDですね。


LEDの電球にも昼白色とか電球色とかあるのですが、これはなにかというと、白い光かオレンジがかった光かということです。昼白色は白い光。電球色はオレンジがかった光。

細かい話は省きますが、家では主に電球色を使って、必要なところだけ昼白色を使うのがおすすめです。それも、天井の照明には使わず、デスクライトなどを部分的に使うと効果的です。昼白色では明るいだけでグラデーションが乏しく、深みがない印象になりがちです。

光が強くなると見えるようになるものと見えなくなってしまうものがあります。朝日がさした瞬間に全てが変わってしまうように。

また、電球色の中でも明るさで全然違います。100Wは明るすぎ。60Wもかなり明るい。もっと暗めでもいいのですが、同居人からは苦情が出るかもしれません。暗めがおススメです。

また、透明な電球と白い電球でもかなり変わるので、両方買って試してみるといいですよ。

  電球色LED 40W相当(白いの)
  https://amzn.to/2Nls8fd

  LED電球 40W形相当(透明)
  https://amzn.to/2E6TFgk


そして暗めで変わり種としておすすめなのが、このLEDランタン。

  スノーピーク
  たねほおずき
  https://amzn.to/2NkZHy8

持ち運びできるあかりはとてもいいです。

ろうそくもそうですが、燭台ごと持ち運べるので、暗さや静けさを保ったまま、部屋から部屋へ移動したいときに便利です。


あかりの話しをしてきましたが、大前提として、明け方や、少し日が暮れてきたくらいの暗さなら、室内のあかりをつけないことが趣や落ち着きにつながります。ちょっと暗いかなと感じるときに、明るくはなくてもすごく暗くはないなら、すぐにあかりをつけずにしばらくそのまま過ごしてみてください。
少しでも見えているなら、余計なものが見えなくなっていいという面もあります。片付いてない部屋の有様とか、床に落ちてるゴミとか。



居間のあかりだけでも昼白色ではなく電球色に変えてみると、世界が変わります。基本は電球色の電灯で、必要な場合だけ昼白色のあかりを使うのがよいです。電球の値段は一緒なので。

「電気」を「あかり」にかえるだけで、ぐっと雰囲気が出ます。
コストもそんなにかからないので、是非!

2019年2月13日

朝酒

酒と、そして自分と静かに向き合う。
落ち着いて旨さを楽しみ、心地よく一日をはじめる。


ホテルで朝食が充実しているところだと飲み物にスパークリングワインが選べますが、冬の静寂の中で朝から燗もいいですよ。冬の朝は、灯油ストーブで暖まりながらじっくり燗をつけるのに最高です。
少しずつ白む外を感じながらの酒。これはやっぱりワインではなく燗の出番。

  燗
  https://bit.ly/2RXGweg

  寒すぎる室内
  https://bit.ly/2E5l8Al


朝酒といえば白居易。朝酒を詠んだ多くの詩の一つに卯時酒というのがあります。『中華飲酒詩選』から一部改変して抜粋。

  『中華飲酒詩選』
  https://amzn.to/2HYGN0Q


  卯は朝の六時頃。
  早朝に飲む酒で、之を卯酒(ぼうしゅ)という。
  楽天は甚だ之を愛し、往々詩に詠じてゐる。
  我国でも楽天の詩が流行した影響からか、
  卯酒を「ばうす」と読んで朝酒のこととしてゐる。



  卯時酒

 佛法贊醍醐,仙方誇沆瀣。

  仏法では醍醐(チーズのようなもの)を賛美し、
  不老不死の仙人になるという薬には北方の夜半の気をたたえる


 未如卯時酒,神速功力倍。

  しかし、まだまだ卯の刻の酒の
  廻りが早く効きめのよいに及ぶまい


 一杯置掌上,三咽入腹內。

  一杯掌に乗せて
  三口呑んで腹に這入るや


 煦若春貫腸,暄如日炙背。

  蒸すこと春が腹を貫く如く
  温むること日が背を炙るようだ


 豈獨肢體暢,仍加志氣大。

  五体がのびのびするばかりか
  志気はますます大きくなり


 當時遺形骸,竟日忘冠帶。

  即座に生見を忘れ
  終日官職も忘れる


 似遊華胥國,疑反混元代。

  その気持は無慾の国に遊ぶに似ており
  天地開闢時代に返ったかと疑われる


 一性既完全,萬機皆破碎。

  本性さえしっかりしておれば
  何事にも打ち勝てよう


このあとすこし半生を振り返り、最後は、


 五十年來心,未如今日泰。

  五十年このかた我が心
  未だ今日の如く安らかであったことはない


 況茲杯中物,行坐長相對。

  まして此の杯中のものに
  行住坐臥長く相対しているのだもの



日本では、平安時代の『大鏡』にすでに、朝酒の肴に雉を用意している旨があります。

 後夜(夜半から早朝)にめすぼうす(卯酒)の御さかなには、
 ただ今ころしたるきじをぞまゐらせけるに


また、今回はじめて知りましたが「朝酒は門田(かどた)を売っても飲め」ということわざがあるそうです。「門田」とは家の門前にある田のことで、一番大事な田んぼのこと。


昔からみんな朝から楽しく飲んでたんやなぁ、と感動しました(笑)



では、現代の日本ではどうか?
朝9時から仕事の人でも、7時に飲み終われば、活動しはじめるまでに2時間あります。大量に飲まなければ、それまでには素面に戻れるでしょう。5時起きなら2時間もあり、ゆっくり飲めます。

朝に残るほど飲むよりは、晩は早めに切り上げて、朝にも少し飲むほうが体への負担も軽そうです。そして、起きてまた飲めると思うと晩にそんなに飲まなくなるということもあります。また、しっかりした食事をしないからか、寝起きだからか、予定があるからか、朝は晩ほど量を飲みたいとは思わないように思います。

後の予定があるのでほどほどに飲むことになるのは、むしろひとつの利点ではないかと思います。あくまでも9時から対面で仕事できる程度の飲酒である必要があります。


ここで、ひかえめな量で満足する秘訣を。うまく利用すると、トータルの飲酒量が減るかもしれません。

少なめの量を口に含み、しばらく溜めて味わうと楽しいです。数を数えるわけではなく目安ですが、酒を10秒以上は口の中にとどめるとよいのではないかと思います。口の中の空間を広げたり狭めたり、酒を舌や頬で弄んだりすると、さらに楽しいです。飲み込んだ後も、残る香りや余韻、身体に染みわたっていく感覚を時間をかけて味わう。

ゆっくり飲むこと自体が目的ではないのですが、こういった飲み方が結果的に、深酒にはならずに、ゆっくり深く楽しむことにつながります。口に入れてすぐにゴクっと飲みこむ飲み方では、どうしてもスピードが早くなって飲酒量が多くなりますし、味わいや香り、ひろがりや余韻などの楽しみが大幅に損なわれてしまいます。味をどぎつく感じる要因にもなります。少量を口にいれて、しばらく口の中でとどめてはゆっくり感じるようにして飲むと、あたりが柔らかくなります。


また、早朝は外部からまともな肴を調達する手段がないので、買ってきておくか、自分で作るしかありません。そこで、前の晩の残りを肴にすると、晩にはいくらか残しておこうとする分、夕食を減らすことになり、ダイエットにもつながるかもしれません。


もちろん、意識が完全にクリアではなくなるというデメリットはあります。精緻な論理的思考には全く向いていないと思います。しかし、余計な部分を削ぎ落とせたり、大胆な発想が得られたりといった効能はあるかもしれません。「無慾の国に遊ぶに似」た気持ちで、「何事にも打ち勝て」るように思います。

また、匂いは自分ではわかりにくいので、酒臭さには気をつけたほうがいいかもしれません。マスクをしてしまうのも手ですが、業種によっては厳しいかもしれませんね。


車や機械の運転をする人でないなら、朝酒、ゆっくり味わってみてください!

2019年1月30日

あふれる音

1月も終わりですね。年末年始は海外で過ごされた方も多いと思います。なにか帰国後に感じたことはありましたか?

日本語が通じる。食事が安くて美味しい。治安がいい。いろいろあると思いますが、いいところだけではないはず。

私が感じるもののひとつは、あふれる音、です。どこから帰ってきても、日本ほど音が垂れ流されているところはないと感じます。


考え事や読書、調べ物をしていたり、なにかを感じていたりするときに、突然、脈絡なく垂れ流される音。ヒトは音がすると注意を向けずにいることは不可能で、それまでの時の流れが遮られてしまいます。


本当にさまざまな日本独自の音があります。エスカレーター、商店街、寺社などでの自動音声やBGM。スマホの強制シャッター音や選挙カー、マンボーマンボー、バーニラ バニラのような動く広告など驚くほどの種類があります。

中でも今回は、遭遇確率が高く、個人でもある程度は対処可能な、公共交通機関のアナウンスについて。



諸外国では公共交通機関のアナウンスは、無いか、あっても駅名や乗り換え案内のみの場合が多いです。
しかし日本では、大量のルーチンフレーズを大音量で、乗る前から降りた後までずっと聞かされます。


「本日も◯◯をご利用いただきありがとうございます」

「お年寄りや、お体の不自由なお客様、妊娠している方や、お子様連れのお客様がいらっしゃいましたら、席をお譲りください。お客様のご協力をお願いします。」

「◯両目は女性専用車両です。皆様のご理解とご協力を・・・」

「優先席付近では、携帯電話の電源をお切りください(いまだに!)。それ以外の場所では、マナーモードに設定のうえ、ご通話はお控えください。ご協力をお願いいたします。」

「事故防止のため、やむを得ず急停車する場合がございますので、お立ちのお客様は、つり革や手すりにおつかまりください。」

「迷惑行為を見かけたり、体調のすぐれない方がおられる場合はボタンを押してください」

「飲み終えた空き缶や空きびんは駅備え付けのくずものいれに捨てていただきますよう車内美化にご協力ください」

「不審物を発見した場合は、すみやかに乗務員にお知らせください」

「危険物の持ち込みは禁止されています」

「リュックは背負わず前に抱えてご乗車ください」

「イヤホン、ヘッドホンからの音漏れにご注意ください(イヤホンしてない人間だけに聞こえる)」

「前の方から順序よく列車の中程までお詰めください。整列乗車にご協力お願いいたします」

「歩きながらのスマートホン、携帯電話、ゲーム機などの操作は大変危険ですのでおやめください」

「バスが完全に止まるまで席でお待ちください」

「あらかじめ両替をお済ませください」



どれも日本以外の列車やバスで聞くことはまずないフレーズです(飛行機では若干ありますが)。思い出せるだけでもこれだけ。実際はもっと種類があると思います。

公共交通機関を利用しているだけなのに、こういったアナウンスを一定時間ごとに強制的に聞かされる。さらに地域の店の広告やカニカニ列車、百貨店、ひらパー、パルケエスパーニャの催しなど沿線の広告、人権系の標語などが加わる場合も。最近では、それぞれを4カ国語で駅ごとに聞かされることも多いです。そうなると、駅の間でアナウンスが流れていない時間の方が短かったりします。

最悪なのは「駆け込み乗車はおやめください!!」とマイクで怒鳴る車掌。車掌はいくらか溜飲がさがるかもしれませんが、ギリギリ乗れそうな人はやはり次回も飛び乗ります。関係ない全ての乗客が大声で怒鳴られて朝から嫌な思いをするだけです。

最近は老人が増えたからなのか、音量がとにかく大きいのも辛い。乗務員ごとに設定が違うようですが、南海や京都の地下鉄東西線などは多くの場合、後述するノイズを最大の音量にしてやっと聞こえなくなるレベルです。


明日から全部やめても何の不都合もないと思われるこれらの騒音に邪魔されず、心穏やかに過ごすためにはどうすればいいか?





答えは、ノイズ+ノイズキャンセルです。




イヤホンやヘッドホンから「ザー」とか「サー」とか「シャー」といったノイズを流します。昔のテレビの砂嵐みたいな音です。毒をもって毒を制す。

ノイズにも種類がいろいろあり、色の名前が付いています。ホワイト、ブラウン、ピンク、ブルーなどがあるようです。

耳に優しいのはブラウンノイズかなと思います。ドォーーーという、水量のある滝や濁流のような低い音。

有名なホワイトノイズは結構きつい。長時間つけていられない。シャーーーーという、米を袋から流し出し続けるような高い音。

ノイズはスマホアプリで鳴らせます。ただ、ちょっと注意が必要で、イヤホンやヘッドホンとスマホとの接続を解除した時に(有線ならプラグを抜いた時に)スマホのスピーカーからノイズが出続けてしまうアプリが非常に多いです。そうなると、車内に大音量でノイズを流してしまいます。

そんななかで、接続解除とともに音が止まるアプリをご紹介。


iOS
Sleep sounds


Android
White noise baby



また、完全ワイヤレスのイヤホンやヘッドホンなら、動きが制限されないだけでなく、コードが服やカバンなどに擦れる音が気にならないのでおススメです。


ヘッドホンなら
SONY WH-1000XM3


イヤホンなら
NUARL NT01



ノイズキャンセルというのは、外から来る音と逆位相の音を出すことで、外からの音を消してしまうという技術です。完全に無音にはなりませんが、低い音はほぼ聞こえなくなります。ただ、高い音や人の声は残ってしまって、余計に気になる場合もあります。防犯上、安全上の配慮もあるのかもしれませんが、過度に期待すると失望します。

ノイズキャンセルだけではアナウンスを消すことはできないのですが、ノイズと組み合わせることで、再生するノイズ自体の音量を抑えることができ、耳への負担を軽減できます。

周波数スペクトルの定義だけみると、ノイズキャンセルで消せない音にはホワイトかブルーが良さそうですが、実際に使ってみるとブラウンが一番。好みもあるかもしれないので、それぞれ試してみてください。


注意点としては、これらの方法を公共交通機関以外で使うと、周りの音が聞こえず非常に危険です。あまり動かないし、周りから何かが来ることもない交通機関の中だからこそ安心して使えるものです。適応をこえた使用にご注意を。



静けさや集中できる環境を買えるなら買いたいという人は、是非とも使ってみてください。

2019年1月18日

衣桁(いこう)

一度は着たけどまだ洗わない服、どうしてますか?

床に脱ぎ散らかしてる?あ、さすがにそれはないですか。

「脱いだけど洗濯しない服」で散らからないためには「決まった一時置き場を作って必ずそこに置き、溜まらないようにする」というのが定石ですが、どこに置くかは悩みどころですよね。


椅子やソファの背にかけてる?いくつもは掛けられないので重なっていったり、もたれてシワがついたりしませんか?

鴨居やドアにハンガーやS字フック?ドアや引き戸、カーテンの開け閉めがしにくくなってませんか?目線より高いところに物があって、ごちゃっとしてませんか?そもそもハンガーやS字フック自体が視界のノイズになってませんか?

籠に入れる?ハンガーラックにかける?床や空間が占領されて邪魔じゃないですか?


衣桁なら、こういったことが起きにくいです。


衣桁ってなに?という人のほうが多いと思います。「神社の鳥居をヒトくらいの高さに縮めて、縦に半分に割って、できた半分ずつを蝶つがいで繋いだような、服をかけるモノ」です。

余計にわからなくなったと思いますので、画像を御覧ください。

 衣桁
 https://amzn.to/2FwcPzc

これを部屋の二辺に沿うように置きます。


まず、かけるところがいくつかに別れているので、重ねずにいくつも掛けられる。上下で二、三段、左右でもいくつか掛けられます。

設置面積がコンパクト。「衣桁の厚み+畳んだ服の厚み」しか床を侵食しません。なので、壁の前はほぼそのまま使えるイメージ。

高さも、せいぜい目線くらいまでです。頭上になにかがある圧迫感は生まない。

お家に鴨居がなかったり、ドアがS字フックが掛からない作りだったりしても、柱や壁に穴を開けなくていいし、ドアや引き戸、カーテンに干渉しないところに置けます。

片付けたいときは折りたためて、さらにコンパクトに。屏風のようにパタンと折り畳めるので、収納時の場所も取りません。

来客用にも、おしゃれなコートかけとして使えなくはないです。

最近の流行りだと、畳んだ服がかかっている衣桁は「キュン」と胸がときめく見た目です。Netflixの番組、なかなかいいですよ。

 TIDYING UP WITH MARIE KONDO
 https://www.netflix.com/title/80209379



コートハンガーでは駄目なのか?ダメです。

レストランの入り口にあるようなコートハンガーはかっこいいですが、用途が限定されてしまいます。というのも、コートハンガーに脱いだ服を掛けると脱いだ服感が悪目立ちするというか違和感が強いと思います。衣桁はもともと脱いだ服をかけるものという意識があるからか、あまり目立たない。畳んで掛けるというのが落ち着きにつながるのではないかと思います。

また、コートハンガー自体は円柱形ですが、結局は直径×直径分の場所を占有してしまうのもデメリット。

ハンガーラックも服の幅×ハンガーラックの長さが取られてしまうので邪魔。



価格は1〜2万円くらいから。現在の職人が作ったのも売ってますが、古道具屋で買ったほうが良いものが安く手に入ります。悲しいことですが、和風のものは大抵そう。いま作ってるものよりも、昔作られて今なお残っているもののほうが質が高く値段は安いものが多いです。どうしても新品でないと嫌というのでなければ、古道具屋で買うのがおすすめ。


機能性に優れるうえにキュンとする衣桁。おすすめです。

2019年1月12日

割烹着

あの一件以来、胡散臭さを帯びてしまった割烹着。実はかなり使える道具です。


さっと腕を通すだけで、汚れを気にせず自由に動けます。

なんといっても、カバーする範囲が広い。肩から手首まで完全防備。ちょっと汚れそうな作業でも躊躇なくできます。
例えば、炒めもの、揚げもので油が飛んでも安心。洗い物や料理で水が飛んでも平気。食材や汁物が多少こぼれても問題なし。おがくずに入れられた車海老を取り出す時に跳ねまくっても、おがくずが服につかないのでストレスフリーです。

料理だけでなく掃除や洗濯、庭仕事にも使える。着物のときでも、袖を通せばすぐに家事できる。

着ていても快適。羽織ることが前提のため緩めに作っているからか、着ていることに気づかないくらい。着たまま食べて飲んで横になって朝まで寝てしまうこともよくあります。一応、作業が終わったら脱ぐのがマナーらしいですが。

夏はちょっと暑いけれど、冬はかなり温かい。薄いのと、厚い冬用とを使い分けてます。


古いものかと思いきや、明治のはじめに考案されたそうです。それまでは、たすきをして前垂れをつけるだけだったそう。

 大隈重信邸の台所
 https://bit.ly/2RjAl9b

 江戸の女はどのような装いをしていたのか?
 https://bit.ly/2VHxB3F


イメージとしては白ですが、なにも白である必要はなく、紺とか灰とか生成りとか、様々な柄物もあります。



エプロンではダメなのか?ダメです。

腕がまったくカバーされない。割烹着なら手首から肩までカバーされるので、お子様にもおすすめ。着物のときは、たすきをしていてもやはりエプロンでは台所仕事はしにくい。どうしてもいくらか袖が垂れるので、袖が濡れやすい。

そして料理以外は対象外。エプロンで掃除や洗濯、庭仕事はしっくりこないしメリットもいまひとつわかりませんが、割烹着なら掃除や洗濯、育児なんかにも対応。とにかく様々な汚れから守ってくれます。



手入れは、洗濯乾燥機に放り込むだけ!



予算は、そこそこ使い勝手が良いものは数千円。実店舗であまり売っていないので、やはりネットでの購入が中心になると思われます。

丈が短いものが中心なのは残念。男性用の大きさのものがほとんどないのも辛いところ。せめて膝下までほしい。


そんななかでも、男性用サイズもあり、前後をひっくり返せば軽めのコートにも使えるという、これ。いいかもしれません。高いけど。M-Lサイズ限定ですが、実店舗には薄めの生地のものや柄物もありました。

 Kapoc
 https://amzn.to/2FqB55h


夏用として使ってるのは、これ。

 中川政七商店 割烹着 ロング
 https://bit.ly/2RnfDVE


冬用のは、縁あって作ってもらったもので、ネル地で長めなので、冬の台所でも暖かい!

本当は、生地を選んで、体の大きさと用途を考えて作ってもらうのが一番いいですよね。服は。


ちなみに、裸エプロンほどメジャーではないものの、裸割烹着というジャンルもあるようです。裸エプロンは露出部分が広くて危険な感じがしますが、裸割烹着なら安全性が保たれそうですね。

 裸割烹着
 https://bit.ly/2VDD8Za




やっぱりエプロンより割烹着!