和包丁(というか有次)
「切る」って、こういうことだったのか。
ひとこと、切れ味が鋭い。食材に包丁を滑らせると、まな板まで自然に落ちていく。
「よく切れる刀の傷口はきれいなのでひっつきやすい」という話がありますが、それを思わせるスパッとした切り口。
そのためか、切った食材がシャキッと立つ。ただ切っただけなのに。歯ごたえや口触りが凛としている。生で食べられるものなら、切っただけで一品できあがる。
いままで使っていた「包丁」とは一体なんだったのか。
そうか、これまでは切っていたのではなく、押しつぶしていたのだ。
それまでに使っていた三徳包丁も、研げばよく切れるんですよ。それでも切れ味が体感できるレベルで違う。
ただ有次、普通の包丁と違ってメンテナンスは必須。
・使い終わったら、クレンザーで刃を磨く
・水気を完全にぬぐう 拭わずに置いとくと、すぐ水滴の形に錆びます
・風通しのよいところへ保管する
はっきり言って面倒。でも、その面倒さを乗り越えてもなお使いたい切れ味がある。
ちなみに、「風通しのよいところ」って?
間違ってもシンク下の包丁差しなんかはダメと書いてありますが、他に包丁をしまう場所なんてないのが普通。
買った時に入ってた箱に入れとくのも、風通しがよいというわけではない。
割烹やなんかではトースターみたいな箱に水を張ったとこへ包丁を刺して漬けておくのを見かけますが、あれは問題ないのか?職人が常時そうやってるくらいなので問題ないんだろうけれど。ただ、あんなものを個人宅に用意するわけにもいかない。
いろいろ考えた結果、とりあえず無印の竹の箱に入れて、箱自体に手ぬぐいをかけて置いてます。
重なる竹材長方形ボックス・小
https://muji.lu/2JiIaFa
てぬぐい
http://bit.ly/2XrTqsz
ただ、短期の保存方法よりは、頻繁に使って磨くなり研ぐなりすることのほうが大事な気はします。
現状では毎日は包丁を使ってないので、1から2ヶ月に一度くらいで研いでます。面倒ですが、日と時間を決めてしまえば、なんということはない。
いま採用している方法は、
・砥石をしばらく水につけておいて、修正砥石で平にしつつ砥糞をだしてから研ぎ始める。
・爪に食い込むようになったら出来上がり。
砥石
https://amzn.to/2Cjz1sg
修正砥石
https://amzn.to/2XnNYae
参考にしたのは以下のページなど
包丁の研ぎ方 - 手前板前
http://bit.ly/2KWC8xb
プロが教える和包丁の研ぎ方(誰でも研げる包丁研ぎ) | 『研匠』光三郎
http://bit.ly/2Jt29kn
いろいろ書いてきましたが、和包丁は有次のしか使ったことないので、他の和包丁がどの程度のものなのかはよくわかりません。和包丁だからいいというわけでもないのかもしれない。
下記の本によると、有次の包丁は堺でほぼ専属の鍛冶屋さんが作っているそう。堺の地場ブランドで売っている他の鍛冶屋さん作の包丁と切れ味がどの程度違うのかは比較してみたいところ。
『有次と包丁』
https://amzn.to/2TRiOlc
有次は、令和になったというのにWebページすらなく、支払いは現金のみ。それでも錦の店には人が入りきれないくらい溢れている。
電話やFAXで注文して着払いで受け取ることはできるようです。
http://bit.ly/2LQgjPF
最近は大半が外国人観光客。国外に出ていった包丁のうち、どのくらいが使われ続けてるんやろ。
お店以外では、京都や梅田の百貨店なら買えます。もちろんクレジットカードで。
ただ、錦のお店で買うと、刃をつけてくれて、ノミで包丁に名前を彫ってくれます。
薄刃や柳刃なら、3つのグレードの真ん中のものでも、よく使われる寸法のは1〜2万円代。一生モノでこの価格なら、むしろお得。
これまでごく普通の三徳包丁しか使ったことがない人にとっては、確実に人生を変える道具です。ぜひ一度、手にとってみてください。