2018年9月19日

七輪

ただ焼くだけで、こんなにうまいなんて。。。


外はパリッ。中は、ふわふわほくほく。脂の乗った魚なんて、とろけながら全身に染みこんでいく。味わいは凝縮され濃厚に。

タレなんてなしで、そのままか、ほんの少しの塩でいい。海の魚なら塩はいらない。


繰り返しますが、そのまま焼いただけが本当に美味しいです。下手な飲食店よりはるかに美味くて、外食で残念な気持ちになる確率が劇的に上昇するのが玉に瑕。

もちろん炭火のコントロールは奥が深く、一流の店で上質な食材を焼いてもらうと段違いに美味しいけど、素人が家で適当に焼いても、かなりうまい。



魚、貝といった海の幸はもちろん、肉もうまみたっぷりに。

野菜もうまいので、ベジタリアンにもオススメ。トマト・茄子あたりはかなり潤いに満ちた味に。とうもろこしや太い葱も。

おにぎりや餅はもちろん、パンもおいしい。食パンは、きめ細かいサクサクさがたまらない!

あまりいろいろ試してませんが、果物もいけます。バナナ、みかん、りんごあたりは美味しい。

変わったところでは、もなか。最高です。ナポリを見て死ねレベルには、焼き最中を食ってから死ね。

そしてなんといっても酒。炭火で湯煎のお燗。酒好き、燗好きなのにまだ味わってないなら、まだ生まれていないも同然。人生はこれからです。



もし持ってないなら、なにも考えず、いますぐ七輪を買いましょう。約束します。これからの人生に大きく深いよろこびがもたらされます。

とりあえず、秋刀魚の季節ですよ。




いいことずくめの七輪ですが、いまの日本の家で使うにはハードルや注意点があります。くれぐれも火事や大やけど、死亡には注意してください。


まず、炭火をおこす必要があります。火熾し(ひおこし)を使います。

 火熾し
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そのためには勝手に火が消えないガスコンロが必要。家庭用の新しいガスコンロは温度が上がると自動で火が消えてしまいます。なので、古いものか業務用を使う必要があります。

これを面倒くさがってカセットコンロを使うと、「火熾しや炭からの熱でボンベが熱くなって爆発するかも」とのことなので絶対にダメ。


さて、火熾しに炭を入れ、勝手に消えないコンロで着火。何分かたって、炭がある程度赤くなったら、火熾しごと台十能に乗せます。

 台十能
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台十能に入れずに火熾しだけで運んだり、火箸で直に運んだりすると、火のついた炭の一部が床に落ちて、床が燃えます。


そして、台十能に乗せた火熾しを七輪のそばに移動して、火箸で炭を七輪に移します。

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あとは焼くだけ!

炭全体が赤くなり、そのあと白くなった頃が火が安定して焼きどきですが、いくらか時間がかかるので、こだわらなければ、炭を七輪に入れたらすぐに焼き始めるといいです。

火の強さが場所によって違うのが使いにくければ、炭を動かしましょう。このとき、当たり前ですが、火のついた炭を火箸でなく菜箸で持つと菜箸が燃えます。やったことあります。形や長さもよく似てて、うっかり間違えやすいので注意。


焼き終わったら、放置してもそのうち火は消えます。ただ、火消し壺に入れると炭をまた使える。

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要は壺に蓋をして酸素の供給を断って火を消します。炭を入れてしばらくは火消し壺自体がかなり熱くなるので、触ってやけどしないよう注意!

火消し壺にいっぺんに炭をいくつも入れようと、火熾しや台十能に炭をたくさん乗せてから、火消し壷に向けてエイヤッと傾けて入れてはいけません。うまく火消し壺に入らなかった炭が床に転がって、床が燃えます。やったことあります。以後は、炭を一つづつ火箸で火消し壺に移すようにしてます。


オール電化だとどうしようもないので、これが次善の策かもしれません。表かベランダで火をおこしてから持ち込む。

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この一連の行動は、結構な危険と隣り合わせです。

まず一酸化炭素中毒に注意!!死にます。うちのように、戸を閉めていても虫やヤモリなんかが出入り自由だったり、柱と壁の隙間から外が見えるような家なら別ですが
、いまどきの気密性の高い家では、必ず窓を開けて七輪を使いましょう。死にます。

また、火の扱い全般に言えることですが、やけどに注意。もちろん火事にも注意!炭に火をつけ始めたら、消火を確認するまで、その場を絶対に離れない。

油が多い食材は、ものすごい煙が出ます。炎が1m以上あがることもあります。フランベみたいな感じで。天井が高くないと火事になりかねません。条件によっては、火災報知器が鳴ります。

炭が「はぜる」のにも注意。「パン!!・・・パパン!!!!」とものすごい音がして、結構な勢いで炭の破片が飛び散ります。目にあたったらやばいかも。



でも、これらのデメリットが消し飛んでしまう、とてつもない旨さが手に入るので、やめられません。




ガスコンロの魚焼きグリルではダメなのか? ダメです。

できあがりが水っぽくなります。火がついてるのかついてないのかわかりにくい。焼け具合を確認しにくい。後片付けが面倒。

ちなみにコンロ、外来語ではなく、焜炉という日本語だそうです。



七輪には丸いのと細長いのとがあります。細長いののほうが、魚など長さのあるものは焼きやすい。炭の置き方で火力をエリア別に調節しやすいのも細長いほうです。場所がとれるなら、長い方がオススメ。


価格は数千円から。

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リーズナブルなのがよければ、これなんかどうでしょう。

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炭も、そんなにしないもの。

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茶道をやってる人も炭を買うので、いい仕入先を尋ねてみてもいいかもしれないです。


メンテナンスは特に必要ない、というかできない。網を洗うくらいですかね。濡れた布巾で軽く拭いてもいいかもしれません。

家庭では、毎日は使わない人が多いと思うので、置く場所をとるのはひとつのポイントではあります。



繰り返しですが、もし持ってないなら、なにも考えず、いますぐ七輪を買いましょう。約束します。これからの人生に大きく深いよろこびがもたらされます。

とりあえず、秋刀魚の季節ですよ。

ただ、くれぐれも上記の注意点をお忘れなく。死にますので。