何年もいろんな家に上がりこみ続けて感じた暖房器具ぬくぬくランキング1位
訪問診療でいろいろなお宅に伺いますが、面白いことに、家ごとに体感温度が全く違います。
外より寒くて凍える家もあれば、むせるくらい暑い家もあります。
その中で、暖房器具ぬくぬくランキング1位は、間違いなく灯油ストーブ。
失礼ながら、どう見ても気密性が高くない家でも、かなり暖かいです。
我が家ではこれの数年前の型を使ってますが、最高に温かいです。新型コロナウイルス感染症でも風評被害なさそうなコロナ製。
SL-6620-W CORONA
灯油の減りは、一回り小さい製品より早いですが、断然あたたかい。
ランキング2位は、灯油ファンヒーターとガスファンヒーター。安全で暖かいが、風がくるし音がするのが難点。
エアコンは30度くらいでつけているとわりと暖かいですが、25度くらいではうすら寒い。どこか安心できない。芯からは暖まらないんです。穏やかな笑顔だけれども、ごく薄い壁を超えられず近づけない人のような印象。
こたつと電気カーペットは、座っていれば暖かいですが、部屋全体が温まるわけではなく、座ったところから離れられない。見えない鎖で繋がれてしまいます。部屋全体が暖かく、こたつや電気カーペットの場所以外に躊躇なく移動できる方が、はるかに快適です。こたつや電気カーペットをメインで使っている間はそれに気づけないのですが。
私は、一時は毎日こたつで寝ているほどの「こたつlover」でしたが、ある体験をきっかけに完全にやめてしまいました。
12月のサンクトペテルブルクで宿にチェックインした時、「暑かったら窓あけて」と言われたのが忘れられない。屋内は本当に暖かくて、部屋中どこへ行っても重ね着してると汗をかくレベル。ヨーロッパではよく見かけるオイルヒーターが設置されており、そこにいるだけで体が緩んでいく幸せな快適さ。エアコンのような風も音もなく、ただただ暖かい。ぽかぽか。
ビールを窓の外に出して冷やしておくために窓を開けると、涼しくて気持ちいいんですよ。そして、屋内で芯から温まっているので、外に出てもそんなに寒く感じない。露天風呂で、芯まで温まってからなら、裸で外気に触れてもそんなに寒くなく、かえってひんやりして心地よいのと同じです。
地下鉄も、地上から地下道に入る時点からものすごく暖かくて、街から地下に降りる通路には観音開きの二重ドアがあるのですが、2枚とも内から外に向かって半開きになっていて、中から暖気が延々と吹き出してるんですよ。入ってしまえば上着の前をしめてるとちょっと暑い。
40回ほど過ごした冬の中で最も快適な瞬間でした。あのレベルの暖かさを目指したい。
家じゅう温かいというわけにないかないですが、灯油ストーブがある空間は、本当に暖かい。エアコンで暖かいホテルやオフィスよりも、はるかに暖かいんです。ただ、くれぐれも火傷には注意。
暖かさ以外にも、灯油ストーブにはメリットが山盛りです。
・熱源として使える
湯を沸かせる。加湿のために鍋やヤカンを乗せている方が多いです。煮物も可能。
もちろん燗もできます。直火も悪くないし、湯煎はかなりいい。
軽く炙れる。餅や干物、酒粕など、油が落ちないものなら。
湯たんぽも温められる。
・光源として使える
火の灯りがきれいです。眺めていて落ち着きます。 LED蛍光灯と比べると、深みとあたたかみのある灯り。
考え事や読書に最適。朝方は特にオススメです。
・風が出ない
風が出る空調は、あたり続けているとしんどく、わずらわしくなってきます。日本では、パネルヒーターは効果としてもコスト的にも厳しく、暖炉や床暖房はどこにでも設置できるわけではないことを考えると、現実的な選択肢としての風を出さずに部屋全体を暖める暖房は、灯油ストーブだけではないでしょうか。
・音がほとんどしない
これも実は貴重な特徴です。つけ始めこそ音がしますが、いったん安定してしまえば、ほぼ無音です。オイルヒーター、パネルヒーターは音がしないようですが、電気代が高くつくわりに、あまり暖まらないと聞きます。諸外国のように機密性の高い建物にあらかじめ付いていて全館空調なら効率が良いようですが、残念ながら日本にはそういう建物がほぼありません。あれ、乾燥しますが、洗濯物を乾かせて便利なんですよね。暖房代はそれなりにかかるようですが。
こたつや電気カーペットもあまり音はしないですが、部屋全体は暖まらない。
・どんな家でも、どの部屋でも使える
ガスファンヒーターはかなり暖かいのですが、オール電化の家ではもちろん使えず、ガスを使っている家でも、床や壁にガス栓がないと使えません。そして、ガス栓とコンセントにコードでつなぐことになるので、どうしても見た目はすっきりしない。
ですが、灯油ストーブなら、どんな家にでも後から設置できる。どの部屋にも移動できる。どこにもつなぐ必要がないので、見た目もスッキリ。停電時にも使えるのもメリットです。
!注意!
ただし、注意が必要な暖房器具です。
・一酸化炭素中毒
ときどき換気が必要ですが、大きく窓を開けても、そんなに寒くないです。なぜなら、芯から温まっているから。この感覚を体験してほしい。
・火傷
小さい子供やの年寄りのいる家では使いにくい
一応、囲いを売ってはいます。昔、小学校でこんなのあったなあと思い出した。懐かしい。
ストーブガード
後は、デメリットを紹介。
・消してから匂いがする
これはどうしようもないです。しばらくすると気にならなくなります。それまで他の部屋に入るのが吉。
・灯油を調達する必要がある
京都なら、ネットで予約してポリタンクを玄関に置いておけば、入れといてくれます。
予約時にカード決済なので、現金のやりとりをする必要なし。
シューワ
http://www.shu-wa.jp/service/kerosenesale/
・灯油を入れるのが面倒?
そんなに難しくないです。
この道具を使っていますが、めちゃ楽です。
給油ポンプ
・暖かくなるので少し時間がかかる
瞬間温風ですぐ暖かくなるのはガスや灯油のファンヒーター。灯油ストーブは近くが暖かくなるのにも若干時間がかかる。最初だけファンヒーター併用で、灯油ストーブが暖かくなったらファンヒーターは切る、が最強。
暖炉や囲炉裏は体験したことがないので、どの程度暖かいのかよくわからないのですが、簡単に使える暖房器具の中では、灯油ストーブが最も暖かく使い勝手もよいと思います。
まだ4ヶ月ほどは寒さが続きます。ぜひ、灯油ストーブを試してみて下さい!