2018年12月9日

寒い時期は着物も重ね着

寒くなってきたので、家では春夏用の着物を重ね着してます。

秋冬用の着物はどうしても重くなって、動きにくいんですよね。冬の普段着定番のウールはゴワゴワして堅い感じで、着心地がいまひとつ。ウールの羽織まで着た日には、動くにはかなり重いし邪魔。厚くて重いものにするよりも、薄くて軽いのを重ね着のほうが快適です。追加のコストが一切かからないのもいいところ。

家の中で着るなら全く問題ないです。見た目が気になる?確かに外に着ていくには一瞬考えますが、それでも後述する「でんでん前」なら気付く人しか気付かないかも。いずれにしても、フォーマルでないなら気にしなくてOKです。

まず一枚目を前で合わせて、次に二枚目を前で合わせて、と一枚ずつ前で合わせて重ね着(でんでん前)すると見た目はすっきりしますが、摩擦が大きくなるので動きにくくなるのが難点。二枚をまとめて一枚にしてから前で合わせて扱う(一つ前)と、いくらかはだけやすくて楽。

 でんでん前(すこしスクロールしてください)
 https://bit.ly/2Qbm2D1

 一つ前
 https://bit.ly/2Qc1V7P

一つ前で重ね着すると、暖かさと動きやすさを両立できます。特に浴衣として使える薄くて軽い長着を重ね着すると快適。

 長着
 https://bit.ly/2Qbj7u3

また、二枚目は羽織るだけというのも楽。羽織を着るのではなくて、長着を羽織る。紐や帯で締めてなければいつでも脱げて調節しやすいし、やはり追加コストゼロ。収納場所も取らない。ただ、階段の登り降りには注意!裾を踏んでこけます。



現代の暖房がある生活が前提なら、動きやすさを損なわない程度の重ね着で快適なくらいには屋内を暖かくしておくのがよいです。

そもそも家の中でまで厚着の必要があるのは、家の中が寒いから。いまどき家の中で動きにくいほど厚着するなんて馬鹿げていると思います。身体が縮こまって肩が凝ったり、いろんなとこが痛くなったりします。悪くすると体調を崩してしまいます。ヒトは寒さに耐えられるようにはできていません。


実は、私にはロシアで転向した過去があります。以前の私は、冬になると、こたつから半径1m以内で過ごしていました。

しかし、「人々はどうやって寒さに耐えているのか?こたつがあるとも思えないし」と偵察に行ったロシアは、地上の楽園でした。どこにいってもめちゃ暖かくて快適。屋内で芯から身体が暖まってるので、氷点下の屋外にちょっと出たくらいではそんなに寒く感じない。

帰国してすぐに、こたつに別れを告げ、あらゆる暖房を躊躇なくつけるようになったのです。その話はまた今度。


とはいえ、動きを妨げない程度の薄いレッグウォーマーやアームウォーマーと組み合わせるのもおすすめです。洋服以上に着物はどうしても首・手・足が冷えやすいので。首は肌触りのよい手ぬぐいやネックウォーマーがいいでしょう。

 てぬぐい
 https://bit.ly/2rfTedx


寒い時期の着物でまだわりと快適なものとしては、ネルの着物があります。ウールより断然動きやすい。暖かくて柔らかいので冬場は愛用してます。麻や綿と重ね着で。ちなみに、ネルってなんなのか調べたら、コットンでフランネルに似せたコットン・フランネルという生地なんですね。

 ミミズクヤ
 http://www.mimizukuya.com/about

男物も少ないながらあり。ただ、ミミズクヤ以外で男物のネルの長着、「寝巻き」として売られてる病院の浴衣みたいなの以外、Web上も含めてみたことないです。


寒さへのせめてもの抵抗として薄くて軽い着物を重ね着しつつ、あとは芯からあたたまる暖房をして、これからの冬を快適に過ごしましょう。

でも、理想は屋内すべてが浴衣一枚で快適なくらいのあたたかさ。既存の本州の建物ではなかなか厳しいのかなぁ。